アレチウリ除去報告
下諏訪町諏訪湖浄化推進連絡協議会
会 長  本 山 公 之

 以前から警鐘は鳴らされていたのでしょうが、湖浄連としては、昨年1999年に湖岸で認識し、「三峰川みらい会議=伊那」のアレチウリ除去インストラクター養成講座等に参加させていただきながら情報を集め、除去作業を本年度のミレニアム目玉事業としました。
 諏訪湖岸へは3〜5年前、山際では一説に10年前ほど前から進入したようです。が、残念ながら確実なことは解りません。
 ヒメジョオン、アメリカシロヒトリ等が進入したときの騒動は、ご記憶の方が多いと思います。除去の対象となる帰化生物の共通項を思いつくままにあげてみます。

【めだつ=嫌われる帰化植物の条件】

  第1条 天敵を連れずに来日

 ※一旦繁殖しだしたら、抑えるものがいません。


  第2条 旺盛な繁殖力

 ※在来植生が頑張っている場所では、アレチウリも遠慮がちに進入します。
つまり、大水で荒れた河川敷、裸地になった造成地は、アレチウリが遺憾なくその旺盛な繁殖力を発揮し、デビューする舞台として絶好の場になります。


  第3条 美しくないこと

 ※もっとも、アレチウリが優勢になり、一面緑の海のようになった斜面などは、いっそ壮観です。
 在来種にある多様性が見られないという異常さに気がつかなければ、単一種の緑で埋め尽くされた風景は遠目に美しいものなんです。
 しかし、アレチウリの場合は、近づいて下生を見るとゾッとします。下敷きになった他の在来植生は、光を遮られ茶色に変色して枯死しています。
 花(白い小さな花で、ちょっと可愛い)には、ハチが来ていますが、他の昆虫は見かけません。のぞき込もうにも、割り箸くらいの太さで茎がビッシリと縦横に走って人の手をよせつけません。
 実ができれば(トゲトゲに被われた緑の、でこぼこピーナッツくらいの実が10〜20個ほどひとかたまりになってついてます。
それがおよそ30cmおきについて、一株の総延長が100m。(一体種子はいくつでしょうか?)トレーナーの下までとげが刺さるし、ズボンも平気で突き通すし、ホントにアレチウリは好きになれない。


  第4条 利用価値がない

 ※ただし、リンの高い吸着性が、(株)コーエキの山田さんから報告されています。
 第3条は少し感情的になってしまった。
 あと、第3、4条の補足をいたしますが、「それなら美人で、気立てが良けりゃいいのか」というお叱りは許していただきたい、と思います。
そういう心算ではありません。でも、「美人で、気だてが良くて、ひっそり」してれば、除去になんかならないよな。とも思います。

 初年度の除去作業は、7月に1回、9月の各日曜日の計5回行いました。
特に9月第1日曜日の老人クラブの皆さんのご参加は、頼もしいものがありました。
 その他の各団体のご協力にもこの場をお借りして感謝申し上げます。
 湖岸につきましては、かなり徹底的に除去できましたし、アレチウリを皆さんに知っていただくというもう一つの目的も多くのご参加で達成できたと思います。
ありがとうございました。

 今後は、湖岸の土の中で寝ていて来年生える予定でいる種子、これから流れ着く種子からのアレチウリの除去を継続していきたいと思います。 (完璧に除去できてその後種子の補給がなくても2〜3年の発芽の追跡は必要と考えています。)

 効率的な除去の時期、方法等を模索しながら、一人でも多くの方にアレチウリを知っていただき、 「見たら抜く」手を増やすことを目標に頑張ります。 3月には大まかな日程をお知らせします。 21世紀のアレチウリ除去作業に是非ご参加ください。

 また、諏訪湖に面した市町村で広域的に除去作業が展開される可能性もありますし、天竜川水系では 「三峰川みらい会議」主催の除去作業等も継続して企画されると思います。

 この頁にアクセスいただいた皆さんにアレチウリを知っていただくこと、住居地それぞれで除去作業にご参加いただくことが私どもにとって最大のエールであり、連携の始まりであると思います。
 革手袋を準備しながら来年アレチウリ畑でお会いしましょう。


アレチウリの種(数子は種子数)


種子と雄花(トゲが痛い!)


アレチウリ畑


アレチウリ畑

★★★ アレチウリ ★★★

 【プロフィール】
   1952年 清水港密入港
   北米原産のウリ科の帰化植物
   半世紀をかけて、天竜川を遡り、近年諏訪にデビュー




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