諏訪湖の外来種問題

 諏訪湖ではブラックバスなど外来種が急増し、町としても対策が始まりました。
 湖浄連でも、平成14年度から新たに外来種問題の学習を年間事業計画に盛り込み、学習していきます。
 以下、広報しもすわ2002年5月号に掲載されたものです。

 家で飼っていた魚や貝を
  湖や川にむやみにはなさないで!!

湖浄連ブラックバス駆除奮闘記

 現在、諏訪湖ではブラックなど外来魚が急増し、諏訪湖の生態系に及ぼす影響が懸念されています。

 ブラックバスは、北米産の外来魚で魚食性が強く繁殖力も旺盛で、他の水生生物に与える影響が大きいため、県の漁業調整規則で無許可の放流と生きたままでの持ち出しが禁止されています。全国的にも移植や利用に関する社会的な合意がないまま、違法放流により生息範囲が拡大しています。諏訪湖においても、平成12年からオオクチバスが急増し、平成13年においては、約10万尾(3トン)ものブラックバスが捕獲され、漁業被害の増大が懸念されることから、諏訪湖漁業協同組合では「外来魚被害緊急対策事業」に取り組んでいます。

 ブラックバスが1s成長するのに、最低でも3〜4倍の量の魚が食べられると言われ、他にもトンボの幼虫のヤゴまでえさにしているとの報告もあります。

  県水産指導所諏訪支場の解剖調査では、胃内からエビ、ワカサギ、フナ、ドジョウなどが検出されており、特にエビの検出頻度が高く、ここ数年エビの漁獲量が大幅に減少している状況にあります。

 生態系保全と漁獲維持から、下諏訪町は、岡谷市・諏訪市と連携し、平成14年度から諏訪湖漁業協同組合に対し駆除に関する補助を行うなど、地域シンボルとしての諏訪湖の将来に向けて駆除に協力しています。

 諏訪湖においては、リール竿による釣りは禁止となっていますが、ブラックバス、ブルーギルなどの外来魚を捕獲した場合はその場で処分するか、諏訪湖漁業協同組合もしくは、県水産試験場諏訪支場に処分を依頼するよう、協力をお願いします。

 現在、ブラックバスは駆除目的のため、通常は刺網や投網など専門的な漁法によって捕獲されていますが、稚魚が群れる時期(5月〜6月)には、すくい網での捕獲が可能で、駆除には効果的です。しかし、在来魚種との区別がつきにくい場合もあります。他の魚を守るためにもエビやフナなどの稚魚は逃がしてやるのはもちろん、漁業関係法令や漁協規則に従う必要がありますので、駆除に当たっては漁協組合員などの指示に従っていただくようご協力をお願いします。

 また、飼育用として売られている生き物(水草などの植物を含む)は、自然界にいるものに比べ生きる力が強いものが多く、ほそぼそと生きている在来の種類が負けてしまう可能性も高いことが報告されています。現在の40代、50代の皆さんが子どものころ経験した諏訪湖を残すためにも、少なくとも飼うことができなくなった場合は、購入した店か水産試験場にご相談ください。

 ◇放流された生き物にとっても、
  もともと住んでいた生き物にとっても、
   人の勝手で放されることはたいへん迷惑なことなのです。

◇図書館の6月新館オープンに合わせ、湖浄連「環境コーナー」にブラックバスを始めとする帰化生物に関する図書がそろいます。ご利用ください。



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