環境雑感(生活クラブ)

湖浄連 環境美化啓発部会長  伊藤 真由美


  信州の短い秋が足早に過ぎ去ってゆく。役場前から続くケヤキの並木が日に日に紅葉し、そのうちに強い北風に一吹きされる毎に、落葉が車道も歩道も覆い始め、舞い踊る。昔ながらのこんな風景も、今は事情がちがってきたようだ。

  コンクリートで固められた道路に落ち葉がたまったり、風に吹かれてあちこちのお宅に舞い込んだりして掃除が大変と迷惑がられたり、そのままにしておくと雨などにぬれて、すべりやすくなり歩行者や自転車の人がヒヤッとする危険な場面もある。昔の舗装してない道なら、地面に落ちた後、時間が経つにつれて自然に戻るけれども、今は単にじゃま物、困り者。

 落葉に限らず自然は現代人にとって、無駄な物、じゃまな物なのでしょうか。そうでなければ使いたい放題の資源。    

  今が良ければ、自分だけ得をして幸せならば他の事はどうなっても知った事ではない。そんな考え方が蔓延している現代、私達は自然の大切さを始め、命の安全、子供達の未来、諸外国の平和等を、まず一番に考える事を面倒で自分に関係ない事としてきてしまいました。そこからどんな社会が生まれてきたでしょう。いつまで続けていくのでしょう。    

  丸坊主の山を眺めるにつけ、川に捨てられた粗大ゴミを見るにつけ、人として、生活者として最低限したい事、こだわりたい事を考えます。
  • 生産者は体に安全な物を環境に良い方法で作る。
  • 生産者の生活を保障できる金額で買い取り、できるだけ安く消費者に届ける。
  • 流通や消費の段階でゴミや有害物を出さない、自然を汚さない。
  • 資源は最少の利用で、リサイクルやリユースをする。
  • 壊れた物は修理して長く使い続ける。 等
衣・食・住・どれをとっても健康と環境に無縁のものはありません。安いから、便利だからと、とびつくのではなく、自分達の健康や環境に与える影響を最初に考えられる生活者になりたいものです。

  湖浄連の会員でもある生活クラブ生協は、こんな考え方に賛同する生産者と手を結び、消費材を予約生産してもらい
  • 遺伝子組換、添加物、放射能、農薬などの検査や対策をいち早く実施。
  • 包材はゴミ対策、環境対策をし、塩ビは使わない、ペットボトル、発泡スチロールのトレーは使わない、卵パックも使わないでバラ売り、ビンは何回も使い回すリユース。
  • 開発途上国の生産を支援。 等

損得よりも、人間として生活者として一番単純で大切な考え方にこだわって活動しています。    

  面倒な事もたくさんありますが、 この地球上に住まわせてもらっている一人の人間として他の国の人々とも、未来の人々とも幸せを分かち合った生活をしていきたいと思うのです。 

 道路に捨てられたペットボトルや空カンと、風に舞う彩鮮やかな落葉は絶対同じゴミではないと思いませんか。




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